
Q3純利益は前年同期比で2倍超 Perfect Worldが『異環』新テストを準備中|決算解読
(財聯社 記者:崔銘 / 2025年10月30日 木曜)
- ① 複数の高品質新作タイトルが牽引し、前三四半期で黒字転換。Q3単体の純利益は前年同期比1.7倍超。
- ② 会社の大型新作『異環』が新たなテスト段階を準備中とのこと。
Perfect World(完美世界、002624.SZ)は10月30日、2025年第3四半期決算を発表した。複数の新作ゲームの好調により、前三四半期の業績は黒字転換し、Q3単体の純利益は前年同期比176.59%増となった。準備中の大型新作『異環』も新テストに向けて動き出している。
■ 第3四半期の業績
完美世界はQ3で売上高17.26億元(前年比31.45%増)、親会社株主に帰属する純利益1.62億元(176.59%増)。
前三四半期では売上高54.17億元(33%増)、純利益6.66億元を達成し、前年同期の赤字から黒字転換した。
財報によると、前三四半期の非経常損益は1.82億元。主因はQ1に「乘風工作室」の売却益が発生したため。営業活動によるキャッシュフローは8.89億元の流入で、ゲーム事業の売上増加や継続的なコスト削減の効果が出ている。
■ ゲーム事業:新作が既存タイトルの減収をカバー
一部の既存モバイルゲームはライフサイクルの影響で減収となったが、複数の優良新作がそのマイナスを相殺。
前三四半期のゲーム事業売上は44.75億元(15.64%増)、純利益7.17億元、ゲーム事業の粗利率は65.78%→69.29%に上昇した。
昨年12月に正式サービスを開始したPC向け『诛仙世界』、そして8月にオープンβを開始した『诛仙2』が売上増に貢献し、MMORPG分野での強みをさらに強化。
また、今年6〜7月に日本・欧米・東南アジアで配信された『女神異聞録:夜幕魅影』も好調で、海外展開の鍵となるタイトルとして評価されている。
■ eスポーツ事業も好調
2025年10月19日、同社主催の「2025年反恐精英アジア招待大会(CAC 2025)」が上海で閉幕。
大会規模・国際影響力・観戦体験・都市連動などが大幅に強化され、eスポーツ関連収益は前年比で増加した。
■ 映像・ドラマ事業:売上4倍以上
映像事業も今年に入り継続成長。
前三四半期の売上は9.18億元(432.9%増)、純利益3173万元。複数の映像作品が放送され、収益計上されたことが主要因。
■ 新作『異環』:新テストを準備中
同社が今後投入予定の重点タイトルの中でも、オリジナル超自然・都市オープンワールドRPG『異環』は特に注目度が高い。
2025年7月に国内2回目のテストと海外初テストを実施。8月のドイツGamescom、9月の東京ゲームショウ2025にも出展し、国内外で高評価を得た。
現在は「深度打磨」(クオリティブラッシュアップ)段階に入り、新たなテスト実施に向けて積極的に準備が進められている。
■ 2026年インターナショナル招待大会(TI)を上海へ再誘致
2025年9月、Valveは「2026年Dota2インターナショナル(TI)」を翌年8月に上海で開催すると発表。
完美世界が上海でTIを誘致するのは2019年のTI9以来2回目。
同社は、政府部門・Valve・パートナー企業・コミュニティと連携し、2026 TI開催に向け全力で取り組むとコメントしている。


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